Peruki's Blog

Xに限界を感じたので、Misskeyのおひとりさまインスタンスを運用することにした

動機と経緯をまとめます


記事作成日:2024年01月06日 10時21分09秒

最終更新日:2024年01月07日 14時09分55秒


こんにちは。

misskey

今年の1月1日、紆余曲折あって急遽VPSを契約し、Misskeyの個人用インスタンス misskey.peruki.dev を建立しました。今後、日常の発言についてはこちらに流していく予定です。

misskey.peruki.dev内でアカウントを作りたい方がいれば対応します...とはいえ、サーバーを運用している以上、𝒔𝒆𝒄𝒓𝒆𝒕なやり取りもうちのDBで管理されることにはご留意下さい。 そんな𝒔𝒆𝒄𝒓𝒆𝒕なやりとりは、僕よりも𝑬𝒍𝒐𝒏 𝑴𝒖𝒔𝒌に委ねたほうが幾分安心だと思います。

おひとりさまインスタンスを立てるということ自体には、Yourein君の記事の影響を受けています。ただし、動機は少々違います。

動機

Xの変化が身体に合わなくなってきた

以前より、少々面倒なUIの変化や機能追加もありましたが、受け入れられる範疇でした。

しかし𝑬𝒍𝒐𝒏 𝑴𝒖𝒔𝒌が介入した以降は、いろいろと怪しくなっています。アイコンと名前が変わり、サードパーティのbotやクライアントが皆サービス終了し、収益化の窓口が増えたことで海外の謎のアカウントからの返信も増えました (そんな迷惑事にお金が流れているかと思うと、地下経済に貢献している気分です)。

このままXに依存し続けていると、今後も重要なコミュニケーション手段を他人に振り回され続けることとなります。さすがに耐えられるものではなくなってきました。

とはいえ、Xにも様々な背景があったかと思います。このような変化がXにとって合理的な判断であるなら、ユーザーが文句を言っても仕方ないです。そもそも、一つの営利団体によってソーシャルネットワークを公平に管理すること自体が持続不可能に思えます。

この不安を解消するには、ソーシャルネットワークの基盤を自分自身で作り出す必要があります。しかし、ゼロから作るのはしんどすぎるので、せめて自分で運用できるものが望ましいです。そこで、最近流行っているMisskeyを使うことにしました。

この手段で本質的に問題が解決できているかは微妙なところです。Misskeyはいわゆるフリーソフトウェアですが、なにか不都合なことがあったとして、僕が時間を使ってコード改変したり、勇気をだして議論に介入する余裕はないです。他人の使ったソフトウェアに依存している以上、今後も他人に振り回され続けます。

しかし、Xの現状を考えると、それでも乗り換える理由はあると感じます。自分で運用できること、議論が開かれていること、そしていざとなれば他のFediverseプラットフォームを使う選択肢が残されているということ、それだけで多くの不安が解消できます。

Misskey.ioを使わず敢えておひとりさまにしている理由ですが、やはり他人に振り回される範囲を減らしたい、というところが大きいです。サーバーが止まったりデータが消えたりしても、何も文句が言えなくなります。自分で運用できるものであるなら、維持費がかかってでも自分で運用する価値はあると考えます。

過去の発言を残したい

もう一つの動機として、過去の発言をちゃんとアーカイブしておきたいという気持ちがありました。

過去の発言も、ちゃんと残せば面白いものになります。昔嫌々書いていた学校の文集を見たりするのはとても楽しいですし、その内容や先生のメモに励まされることもあります。また、履歴書の記入などで過去の自分を調査するために、自分の昔の発信内容を掘り出したりすることもあります。

自分にとっては、Xでつぶやいた内容もその一つです。それこそ、自分は日記を習慣化できない1タイプの人間なために、自分の過去を追うにはこういった記録を頼りにするしかないのです。

もっともデータとして取り出せると、いろいろな残し方や使い方ができます。しんぶんぶん氏のshinbunbunGPT なんかが面白い例です。どんな形であっても、何かしら活用できれば回り回ってアーカイブ寿命は伸びるし、アクセスや復元も容易になります。

Misskeyのセルフホストでは、自分のサーバー内でPostgreSQLを立てる必要があります。お金がかかる上に面倒なものではありますが、その代わりデータの生存権とアクセス権は僕に移ります。

slack

▲ slack 他人に委ねたデータはこうなっても仕方なし

過去の発言のデータ自体は、Xでも取れます。これはありがたい話です。 一方で、このアクセス権はXに握られており、いつ有料化されるかわからないものです。また、Xがやらかせばいきなり全てが無に帰することも考えられます。もちろん、Misskeyに移したとて自分がやらかす可能性もありますし、なんならそっちのほうが可能性が高そうです。しかし重要なのは、アーカイブの生存権を他人に握られておらず、仮に失っても自分のせいにできるということです。

ただ、完全に思想を満足できたかというと、これもまた微妙です。Xへの依存から離れたとて、ConoHaのVPSで運用している以上、ConoHaにも生存権を握られています。もっとも、データやプロセスが何らかのインシデントで突然"消失"する場合も考えられます。とはいえ、そこまで考えて動くのは限界がありますし、起こる可能性も低いです。また、ConoHaが闇堕ちするリスクもありますが、その際は他のプロバイダに乗り換えればデータは残せます。変わったのは誰を信用するかだけですが、少なくともXを信用するよりずっと、アーカイブの寿命の期待値が伸びたはずです。

令和6年能登半島地震が後押し

これらの動機を踏まえ構想を固めた後も、年を越す前までのしばらく間は、動くに至りませんでした。維持費を払って時間をかけてまでインスタンスを用意するには、もうひと押し必要でした。

そのような中、1月1日に発生した令和6年能登半島地震が最後の引き金となりました。今まで断片的に感じていたXの問題点が一挙に浮き彫りになり、Xに腰を据える自分が耐えられなくなりました。

でも、Xは完全にはやめられない

事務連絡や各種活動の共有は、引き続きXでしていくことになりそうです。Xの情報の多さや人との繋がりやすさには未だ無視できないものがあり、嫌な話、暇つぶしというよりも仕事道具として重要となっています。また、Misskeyを続けるのがしんどくなった時など、何かあったらまたXに戻ってくるかもしれません。

おわりに

Xが自分の人生に与えている影響は、かなり大きいです。昔話にはなりますが、中学後半と高校4年間で学校生活に向き合えず、現実世界のコミュニティに馴染めなかった自分にとって、旧Twitterで繋がっていたマイクラ仲間や技術仲間の存在は大きなものでした。それらがなければ今頃、Misskeyのインスタンスはおろか、窮屈な故郷からも出られずじまいだったはずです。

Xには感謝してもしきれない思いがあり、それだけに最近のXの変化には落胆する限りです。...落胆するのは自分の勝手ですが...

okayama

ということで、misskey.peruki.devをどうかよろしくお願いします。


Footnotes

  1. Scrapboxに2日でやめた痕跡があります。1日目 2日目